A先生との対話で、もう一つ考えさせられたテーマがあった。
それは「医院の規模拡大と利益率の関係」。
「規模拡大=利益増」
ではない
多くの先生方が「チェアを増やせば儲かる」と考えがちだが、保険診療の単価ではそう簡単にいきません。
スタッフを増やしても、チェアを並べても、比例して利益が伸びる構造ではないのです。
自費診療こそが利益率の源泉
一方で、自費診療――インプラント、矯正、フルマウス治療など。
これらは単価が大きく、効率よく利益を積み上げられる分野。
私の歯科医院は年間5億円規模の売上ですが、実は年間200日は休み。出勤は160日ほど。
それでも高い生産性を維持できているのは、自費診療とマーケティングの力があるからである。
マーケティングは「水物」でも保険より強い
もちろんマーケティングには波がある。
好調なときもあれば、鳴かず飛ばずのときもある。
それでも、保険主体で積み上げるより、はるかに利益率が高く残るのが実感がある。
規模より“最適化”
医院経営で大切なのは「とにかく大きくすること」ではなく「最適規模を見極めることだ。
利益が残る構造を作れるかどうか。
これこそが経営者としての腕の見せ所だと思う。

まとめ
前記事で語った資産形成も、後半の医院経営も、共通点は一つ。
「余剰資源を眠らせないこと」。
現金も、医院のリソースも、ただ持っているだけでは増えません。
正しい方向に“働かせる”ことで、資産も医院も未来を形づくる。
10年後、笑っているのは「余剰を遊ばせなかった経営者」だと、私は確信している。